以前の記事では「株式上場の条件とメリット」を紹介させて頂きましたが、厳しい審査基準のクリアし上場する事は容易にできるものではありません。
そんな未上場企業を上場企業へと引き上げ、資金提供・経営関与により企業価値を上昇させながら、十分に株価が上昇した段階で売却してキャピタルゲイン(値上がり益)を獲得する「プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)」を行う投資会社が存在します。

投資会社とは

投資家から資金を集め、専門家などが代わりに運用を行う会社を指します。
運用によって発生した利益は、投資家の出資額に応じて分配されます。
投資会社が扱う金融商品は株式や債券、不動産などさまざまなようです。
個人投資家が税制的なメリットなどを得るために法人化した会社も、広い意味で投資会社と呼ばれています。

プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)について

アドバンテッジパートナーズで行われる投資ファンド「プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)」の特徴は、その名の通り「Private Equity :未上場企業の株式」である中堅企業や大企業の子会社、あるいは、事業再生が必要な企業に対し、ファンドが持つ経営ノウハウを使って投資した企業の企業価値を引き上げることを目的としています。

役員をはじめとする専門家チームを該当企業へ派遣し、経営の専門知識やノウハウ、コネクションなどを用いて、会社を隅々までチェック。
企業の業種・経営内容などに合わせて、会社が持っている本来のポテンシャルを最大限まで引き上げていきます。

また、PEファンドの投資期間はおおむね3~5年ですが、ごくまれに10年近く株主として株を持ち続ける場合もあるようです。

個人投資家が行う事も可能ですが、未上場企業=株式の開示がなく投資の中身は予め分からない事もあって、タイミングが読めないので難しいと言われています。

「PEファンド」を行う会社はまだ数少ない

調べてみると「PEファンド」の活用が増加傾向にあるようですが、日本で「中小企業者・小規模企業者」を明確に投資対象とした「PEファンド」を行う主な企業は去年2021年段階で65社程、今年の2022年だと70数社とまだ少ない事がわかりました。

「PEファンド」を行う投資会社の中で、今回は「株式会社アドバンテッジパートナーズ」についてもう少し詳しく調べてみました。

株式会社アドバンテッジパートナーズとは

アメリカ合衆国・ボストンを本拠とするコンサルティング会社である「ベイン・アンド・カンパニー」出身の2名によって1997年に設立された、日本で最初のプライベート・エクイティ・ファンド。
「ダイエー」の再建や「ポッカコーポレーション」のMBOなどの実績を持っています。

出身大学は東京大学、京都大学、一橋大学、慶応大学、早稲田大学の法学・経済学部出身の方が多く、中にはハーバード大学やペンシルバニア大学ウォートン校といったビジネススクールのMBA修了者も。
また、同時に生命科学や情報工学、機械工学などの修士・博士課程を修了したメンバーもおり、専門分野に特化した技術、知識を持っていることが伺えます。

アドバンテッジパートナーズのパートナー企業を紹介

先ほど紹介した「ダイエー」や「ポッカコーポレーション」などの前例により、アドバンテッジパートナーズのパートナー会社が数多く存在します。
ここでいくつか紹介したいと思います。

既に投資、回収が完了している企業

・クラシエホールディングス株式会社
投資時期:2006年1月
CMでおなじみ「夢中になれる明日 Kracie(クラシエ)」の有名な会社です。
「いち髪」などのシャンプーやヘアケア、基礎化粧品や「ねるねるねるね」などの知育菓子をはじめとした食品、漢方薬や医薬品など様々に取り扱っています。

・株式会社コメダ
投資時期:2008年4月

言わずと知れた「コメダ珈琲店」。
全国に950もの店舗を持ち、利用者ひとりひとりのくつろぎの為のおもてなしのサービスに重きを置く喫茶店です。
50周年を迎えた2018年から「心にもっとくつろぎを」プロジェクトを推進中。
また、メニュー1品のボリュームが多い所も特徴です。

・株式会社富士通ゼネラル
投資時期:2010年7月

空調機器・情報通信システム・電子デバイスを扱い、特に空調機器は高い技術力を誇り世界100か国以上に提供している会社です。
空調機器であるエアコンnocria(ノクリア)は有名なので、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

現在投資中の企業

・株式会社やる気スイッチグループ
投資時期:2017年5月~

「やる気スイッチ君のはどこにあるんだろう♪」のCMでお馴染みの、総合教育グループ。
個別指導の学習塾をはじめ、幼児教室や子ども向け英会話スクールなど、国内外で2,000以上の教室を展開しており、現在では世界12万人の子供たちの学びをサポートしているそうです。

・株式会社サンマルクホールディングス
投資時期:2021年6月~

グループプランドとして「サンマルクカフェ」や「神戸 元町ドリア」「手握り回転寿司 函館市場」などを経営する、こちらも有名な会社です。
「新たなる満足への創造」の提供を掲げ、食材のクオリティを常に万全にする取組みを行っているそう。
こちらは未上場企業ではなく、上場企業成長支援の投資となるようです。

・株式会社ネオ・コーポレーション
投資時期:2021年12月~

低圧電力の基本料金をコストカットする「電子ブレーカー(ネオコントロールシステム「N-EBシリーズ」)」を販売する会社。
今年2022年8月には流刑販売台数23万台を突破し、販売実績業界No.1を誇っています。
電気代基本料金の大幅な削減が可能な理由は、ブレーカーに流れる電流値と通電時間を正確に計測するCPUを内蔵し、従来のブレーカーにない緻密な動作特性を実現しているからだそうです。

まとめ

アドバンテッジパートナーズでは、数々の有名企業をはじめとした企業(現在、投資中企業で46社)がパートナーとして存在しているようです。

「PEファンド」支援を受けるメリットも多い一方で、経営の自由度が下がる事や投資完了・資金回収後を考え、経営を投資会社任せとならないよう注意も必要ではありますが、導入する事で企業価値が向上する可能性は十分にあるため、検討の余地はあるかもしれません。

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